三大ピアノ協奏曲の響宴

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清水和音さま。ラフマニノフのピアノ協奏曲全4曲を1日でまとめて演奏してみたり(←すばらしいコンサートだった!)、2年間かけてベートーヴェンのピアノソナタ全32曲を演奏してみたり、ヤマハの新作ピアノの完成度の高さを伝えるためだけに、5日間連続でヤマハのCFXというグランドピアノを使って毎日違うプログラムで演奏してみたり、毎回無茶苦茶な面白企画で楽しませてくれる和音さま。

若かりし頃は「王子」などと呼ばれ、なかなかのハンサムだったようですが、今ではすっかり「老けた彦摩呂」もしくは「ヤングな大和田伸也」といった風貌の和音さま。

で、今回も珍妙企画。「三大ピアノ協奏曲の響宴」と題し、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をまとめていっぺんにやっちまおう!というコンサート。

聴く側はとってもワクワク、お得度満載のコンサートですが、普通こんなめちゃくちゃなプログラムは組まないと思うのですが・・・。心身の強靭さがハンパじゃないと思われる、あの中村紘子センセイですら、協奏曲2曲を演奏した後は、アンコールを断ってすぐにお帰りになられたというのに・・・。体育会系なのか、はたまたドMなのか、和音さま。

3曲ともすばらしい演奏でしたが、やはりチャイコフスキーとラフマニノフは本当に鳥肌ものでした。この方の演奏は、繊細な部分とダイナミックな部分の振れ幅がとてつもなく大きく、テクニックはもちろんのこと、その豊かすぎる表現力には毎回本当に感激させられます。

楽章間に客席にガンを飛ばしまくったり、緊張感あふれまくる間合いを取ったり、速弾きの際に、ふくよかな頬の肉がプルプルと震えまくっていたり、何から何まで「持っている男」は違うぜ・・・と思わされっぱなしの3時間弱。梅田俊明さんの指揮と東京フィルハーモニー交響楽団の演奏も、エモーショナルでとても良かったです。

で、3曲も協奏曲を引き倒した後で、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」をアンコールで演奏。これがまた、顔に似合わず、いや失礼、本当に美しく、とてつもなく繊細な演奏で、心が洗われるようでした。メインディッシュを3品完食し、胃もたれ寸前の胃腸にしみわたる1杯のハーブティーという感じでしょうか。って、わかりづらい表現!彦摩呂、ヘルプ~!

終わった後、360度の客席に向かって何度も何度もお辞儀をし、笑顔でステージを後にした和音さま。その姿は、一瞬、かつての「王子」の片鱗を垣間見た!と勘違いしてしまうほどの、かっこ良さでした。まぁ、ほんの一瞬思っただけなんですけどね。

何はともあれ、本当にすばらしい演奏でした。ありがとう、和音さま。また聴きに行くよ!

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